舌下免疫療法とは
スギ花粉、あるいはダニによるアレルギー症状を根本的に治すことが期待できる唯一の治療法です。
スギ花粉やダニ抗原を原料とした錠剤を少量から舌下(舌の裏)に投与することにより、少しずつ症状を緩和させていきます。
舌下免疫療法の治療
治療期間と開始時期
治療期間は最低3年必要で、4~5年治療を継続することにより、7~8年の持続効果があると報告されています。
スギ舌下の開始時期ですが、花粉飛散期に開始すると花粉症状が悪化する可能性があるため、6~12月の治療開始となります。
ダニは通年性ですので治療開始時期に制限はなく、いつでも治療を始められます。
治療の対象となる方
- スギ花粉症患者またはダニアレルギー患者(5歳以上)
- スギ皮膚反応テスト陽性、または採血によるスギ特異的 IgE抗体陽性の方
- ダニ抗原皮膚反応テスト陽性、または採血によるダニ特異的IgE抗体陽性の方
- 舌下に錠剤を1分間保持可能で、嚥下後5分間飲食不可が守れる方
- 毎日薬を服用することができる方
- 決められた期日ごとに通院が可能である方
治療を受けられない方
- 5歳未満、65歳以上の方
- 重症の気管支喘息がある方
- 妊娠中の方
- 非選択的β遮断薬を内服中の方
- 全身的にステロイドを内服中の方
- 悪性腫瘍・自己免疫疾患・免疫不全がある方
舌下免疫療法の治療の流れ
STEP.1 初診
受診をして、アレルギーの問診と、鼻の中の状態を確認します。
血液検査を行い、スギ、あるいはダニのアレルギーがあることを確認します。
他院の採血データを持参していただいても構いません。
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STEP.2 治療開始
初回投与時のみ、薬によるアレルギー反応がでないか確認するために院内で服用していただきます。 治療薬の錠剤を舌下(舌の裏)に置きます。 錠剤はすぐに溶けますが1分間は舌下でそのままにしておき、そのあと飲み込みます。 飲み込んだ後5分間は飲食やうがいができません。 その後、アナフィラキシーなどの副反応がでないか確認するため約30分間、院内で待機してもらいます。
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STEP.3 定期的な受診
投与開始後1週間してから増量します。 決められた量を舌下に投与しながら、少しずつ体を慣れさせていきます。 その後は3年~5年定期的に通院していただきながら継続します。 定期通院は1ヶ月に1回のペースになります。
投与中の注意
副作用が起こらないようにするため、
- 投与後5分間はうがいや飲食を避けること
- 投与前後2時間は激しい運動や入浴を避けること
- 自己判断で服用を中止・再開しないようにすること
などに注意が必要です。