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急性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎

副鼻腔は、鼻腔の奥に広がる左右にそれぞれ4つある空洞で構成されています。副鼻腔には自然口という1-3mm位の小さな空気孔があり、換気、排泄が行われています。副鼻腔粘膜は繊毛(せんもう)細胞で覆われており、繊毛運動することによって粘液が一定方向に流れ細菌などの繁殖を防いでくれています。風邪などの上気道感染を起こすと副鼻腔粘膜に炎症が波及し腫れるため、自然口が塞がったり繊毛機能が低下したりすることで、副鼻腔内で細菌が繁殖しやすくなり膿汁や浸出液が貯留します。発症から4週間以内のものを急性副鼻腔炎、3カ月以上持続するものを慢性副鼻腔炎といいます。慢性副鼻腔炎の多くは細菌感染によるものですが、細菌感染以外に真菌(カビ)や、歯が原因となるもの、アレルギーが関与するものなどがあります。特に近年、好酸球性副鼻腔炎という疾患が増加傾向にあります。急性期の治療は、ペニシリン系を始めとした抗生剤などの内服や、鼻処置、ネブライザー、鼻洗浄、上顎洞穿刺洗浄を行うこともあります。慢性副鼻腔炎に対しては、マクロライド系抗生剤を少量で長期(数ヶ月)内服する治療が一般的です。マクロライド少量長期療法の有効性は、本来の抗菌作用によるものではなく、鼻腺細胞からの分泌の抑制,繊毛運動賦活化,炎症物質産生抑制などの効果があると考えられています。薬物治療で改善しない場合は、内視鏡下鼻内手術の適応となります。

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