従来の抗菌薬療法に抵抗性を示し、鼻茸の再発を繰り返す非常に治りにくいタイプの副鼻腔炎が近年増加しています。副鼻腔粘膜および鼻茸組織に、本来存在しない好酸球の著明な浸潤を認めるものを「好酸球性副鼻腔炎」といいます。好酸球性副鼻腔炎の特徴としては、鼻茸の存在、早期からの嗅覚障害、気管支喘息、特にアスピリン喘息の高率な合併、経口ステロイド薬が有効、高い再発傾向などが挙げられます。血液検査、鼻腔内視鏡検査、副鼻腔CT検査などを行いますが、確定診断には生検による病理組織検査が必要となります。薬物療法は、ステロイド点鼻薬と抗ロイコトリエン薬の併用、喘息のある方は吸入療法の強化、高リスク群ではステロイド全身投与が考慮されます。薬物療法でもコントロールが難しい場合は、内視鏡下鼻副鼻腔手術が必要になることが多いです。

-JESREC Study-