前庭神経炎は、聴力低下など聴覚症状を伴わない、突然回転性めまい症状をきたす疾患です。風邪などを引いた後、1週間~10日位してからめまいが発症することが多く、ウィルス感染や血流障害が原因とされています。めまいは数日から2~3か月で消えていきますが、頭を急に動かした時や暗い所での浮動感は長期間持続することがあります。また、脳の病気がないか画像検査で鑑別も必要となります。急性期は、めまい止め、吐き気止めの内服や、ステロイド治療も有効です。めまい症状が強い時は入院を要することもありますが、安静が過剰とならないように注意して、歩行が可能となれば積極的な運動が望ましいとされています。